2019年11月14日

トマス・ハリス 『カリ・モーラ』

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 『カリ・モーラ』(新潮文庫)は、あのトマス・ハリスの13年ぶりの新作サイコ・スリラー。という謳い文句に心躍らせて手に取りました。

 主人公は、獣医を夢見るコロンビア移民の25歳の女性、カリ・モーラ。対するサイコパスは臓器密売商。これにコロンビアマフィアのボスが絡んできます。

 主な舞台は主人公がアルバイトで管理している屋敷。この「薄気味悪い屋敷」の秘密に絡んだ犯罪者同士の争いに主人公が巻き込まれる、という構図。

 作品自体は面白いのですが、レクター博士ファンとしては、今回の悪役は小粒に感じました。「臓器密売商」というキャラ設定がもろにグロさを予感させますが。

 ヒロインのカリは魅力的なキャラでスクリーン映えすると感じました。サイコ・スリラーというよりも犯罪エンターテイメントという印象です。

 「ハンニバルよりも異常な猟奇殺人者vs羊たちの沈黙を超える美貌のヒロイン」。読むとわかりますが、この帯の文句、正直、盛りすぎですw

 トマス・ハリス作品だと知らなければ、一級のエンタメ小説ですが...。こうしてみると、ハンニバルシリーズは読者の想像力をかきたてる偉大な作品たちでした。レクター博士が魅力的すぎて、後に続く作品は苦労しますね。

posted by せんじい at 23:34| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月29日

『モーセの災い』

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 『モーセの災い』(竹書房)は、ジェームズ・ロリンズのシグマフォースシリーズ第11作目。

 裏表紙の紹介文によれば、今回の舞台はエジプトと極北。原題は「The Seventh Plague」。訳すと「第七疫病」。疫病とニコラ・ステラがどう結びつくのか。

 本編の他に、セイチャンとコワルスキーが活躍する短編も収録されています。この短編が本編にどう関わっているのかも興味津々です。

 歴史的事実と科学的事実を土台に一流のフィクションで気宇壮大なストーリーを構築していくところは相変わらずさすが。まだ途中ですが、もはや寝不足気味です。





posted by せんじい at 22:48| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月06日

日明恩 『ロード&ゴー』

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 『ロード&ゴー』は救急車がハイジャックされる犯罪小説。「ロード&ゴー」というのは救急における非常事態宣言を意味していて、本来は、急な患者を乗せて病院に直行というときに使用する言葉のようですが、本作品ではまさに救急車が非常事態宣言に陥ります。

 一度、家族の搬送のために救急車に同乗したことがあるので、序盤の救急現場の話は、いちいち腑に落ちました。救急隊員の大変さがよくわかります。

 ハイジャックの動機は読み進めると何となくわかってきますが、それで作品の面白さがなくなるわけではなく、それでも最後まで読ませてしまうところに作品の良さを感じます。

 巧みな人物設定と描写、クライマックスでのエンターテイメント性など、一気に読んでしまいました。

 作者は日明恩さん。これを「たちもりめぐみ」と読める人はそうそういないのでは。表紙のローマ字がなかったら、永遠にたどりつかなかったかも。

posted by せんじい at 22:37| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする